凪ヲ待ツ

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双極性障害2型アラフォー女子の日々感じたことゆるゆる

就労移行の体験談(利用開始までの流れ)

精神障害を持った方が働くための準備をする手段の一つとして、
「就労移行支援事業所」というものがあります。
私は、1年7ヶ月通所しました。
(利用期間は2年間が限度です)

*ここから先は就労移行支援事業所の制度のざっくりした説明と体験談になります。
制度の内容を細かく記載されているサイトやブログはたくさんあるので、きっちり知りたい方はそちらをおすすめいたします。 

 

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就労移行支援事業所とは?

簡単にいうと障害者のための「職業訓練・就活支援サービス」です。
利用できる方は、障害者手帳を持っている人、無い人は医師の診断書が必要になります。利用料は収入に応じて変わりますが、原則無料です(課税者の方は利用料金月1万円ほど)。基本サービスの他に、昼食提供や事業所までの送迎などを実施しているところもあります。運営しているところはNPO・企業・病院などです。
余談ですが、札幌市は通所のための交通費助成があって、申請すれば交通費の半額を市が負担してくれました。家から時間がちょっとかかる場所だったので、金銭面ではかなり助かりました。


各事業所でしているおおまかな内容

・就職活動の支援
・ビジネストレーニング(パソコンスキル・コミュニケーションなど)
・職場定着支援
 ※これに加え、事業所独自のプログラムがあったりします。

 

私が通おうと思ったわけ

通所をしたいと思った理由は、当然ながら就職すること、尚かつオープンで働きたいと思ったからです。クローズで働くこと、一人で仕事を探すことに疲れ・限界を感じていたのも大きいです。それまでは、誰の力も借りないで自分で頑張ってくんだ!とやってきました。実際、私はそれができていたという自負もありました。
が、やっぱり無理なものは無理、この際、他人の力を借りてみようと意識を変えることにしました。

ハロワのかたが言っていたことなのですが、雇用側からしても支援員さんがついていれば何かと連携もしやすく、本人も支援員さんがいることにより安心して働ける側面もあるそうです。私はこれを聞いて、少しでも有利に就活ができるのなら利用してみるべきだと判断しました。

  
以前から、機会があれば医療・福祉のプロの力を借りながら「自分の体調を把握する」ことを取り入れていきたいと考えていたのですが、通院している病院では残念ながらそこまでしていません(もしかしたらしているのかもしれないけれど・・・)。
各事業所のプログラムの中には、何かしら私の力になりそうなものがありました。これからの仕事探し、様々なサポートがあれば、いままでと違った道が開けるのではないかと思ったのです。

 

事業所の探しかた

 就労移行支援事業所を探すには様々な方法があります。
ネット環境がある方だと、インターネットを使って色々事業所内容を見るのが、手段としては一番早いかもしれません。もちろん、市町村の障害福祉課に相談してもよいですし、ハローワークにもパンフレットが設置してあったりするので、そこで見てみるのも一つです。
 

私は、就活を始めた当初、自分で見つけて手続きをするつもりでした。
が、ハローワークのかたに
障害者就業・相談支援事業所」
(医療・福祉・行政などの関係機関との連携をとりながら、各種支援を行うところ。無料で利用できます。原則、手帳が必要となります。)
を利用して、サポートを受けながら就労移行支援事業所を探してみたらどうか?
という提案を受け、先ずは相談支援事業所を利用することにしました。

就労相談をしたいことに加え、今後想定される、親なきあとにどう生活していくかの生活相談ができる場所も欲しかったので、繋がりができたことによって何かあったときの安心材料が増えました。

 

札幌市の就業・相談支援事業所は何カ所もあり、色々悩みましたが、良い感じのところがあったので先ずはアポ取るべく電話。案の定1ヶ月待ちでした・・・。


さて、待ちに待った面談。ここで、この事業所を利用するかしないかを決めることもできます。私は直ぐお願いをし、何回かの相談を経て、担当さんと一緒に就労移行支援事業所を見学に行きました。見学した事業所は3ヶ所です。

 

 

見学して感じたこと

最初に見学に行ったところは、お試し通所期間を皆勤してくれないと困ります!出来ないなら利用できませんね、と言われました。通所をしようと思って探している当時、仕事を探す意欲はあっても私の体調は万全ではありませんでした。
通所しながら体調を整え、体力をつけるつもりでした。ハードル高ぇ。尚かつ利用者は結構人数が多い・・・。お試し期間で縛りがキツいと、契約したらどうなるんだろう・・・。プログラムの中で工賃が発生されるものがあるのに一瞬魅力を感じましたが、なによりスタッフさんの印象がよろしくないし(ーー;)、事業所内が雑然としていて段ボールが山積みになっていたりと、視覚面でも妙に嫌な感じしか覚えなかったので、パス。

 


2つめは、「会社!」という雰囲気で、事業所もとっても綺麗。某大手です。
意欲ある方が多いなぁと先ず感じました。通所しだしたら、以前のようなOL気分を味わえそう♪独自開拓の就職先も多く、企業への実習もある。できることなら大手に勤めたいと思っていたので、ここならその願いも叶いそうな気がする。スタッフさんの雰囲気も好印象!迷う・・・。が、悪くはないんだけれど、なにかがしっくりこない感じ。

 


3つめで、卒業した事業所に巡り会えました。自宅からの距離も一番近いし、利用者は精神障害の方限定。
なにより「雰囲気がゆるゆる~」。
やる気無い人もいれば(笑)自分ペースで黙々としている人もいて。人それぞれの対応をしているんだな、そう感じました。スッキリとした空間も◎
スタッフさんも無理にその場を一つにさせようとしていない感じが良い。私が体験してみたいプログラムも多く、小規模だったところも決め手の一つとなりました。そして、ここで認知行動療法・WRAPにじっくり取り組めたことは、改めて自分と向き合う時間となりました。

見学に行ったとき、主任スタッフさんに言われたこと。
「いままで一人で十分頑張ってきましたよね。本当にすごいことだと思います。東雲さんが頑張ってきたことに加えて、ここで出来ることをスタッフ一同で存分にサポートさせていただきますから、今一度、働くことについて一緒に取り組んでいきませんか?」
この言葉に口説かれました(笑)

このあと、お試し通所でプログラムに3回参加をし、本利用をお願いすることにしました。
就労移行を使う前には1ヶ月程度このようなお試し通所ができます。
そこで合わないなと感じたら、違うところを体験するのもありです。


2016年の3月に仕事を辞めてからハローワークに通い始め、相談支援事業所を経て、最終的に就労移行の見学に行ったのが7月。体験通所して、利用開始を決めたのが8月。私は利用開始しようと決めてから4ヶ月ほどかかりましたが、これは人それぞれでしょうね。さくっと行く場合のほうが多いと思います。

 

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利用手続き

事業者探しから見学を経て、利用するところを決め、これで準備は整いました。

利用の手続きは、市区町村の障害福祉課で行います。
開始時期・事業所名等の申請書類や利用計画書を提出します。
利用計画書には普段の生活リズムや希望する通所ペース、どんなことをしていきたいかを書きます。相談支援事業所の方と考えるのが一般的だそうですが、私は以前の仕事でサービス内容は違いますが、利用計画書的なものを作成していたこともあり、自分で作成しました。

サービス支給が決定されると、障害福祉サービス受給者証が発行されます。

 

利用開始

利用するに当たって、支給された受給者証を事業所に提示し、先ず契約を交わします。
最初に担当支援員さんのもとでこれからどうしたいのか話し合い、個別支援計画書を作成してもらいます。短期目標・長期目標を考え、様々なプログラムを利用して就職に繋げていきます。

私は週2・3日、半日利用から始めました。

さて、頑張って早く就職を!と通所を始めましたが、就職にいたるまではとんとん拍子とはいきませんでした。通所している中で、当然のことながら(笑)ウツ状態に陥り、3ヶ月まるっと休んでみたり、1ヶ月休んでみたり・・・ 週4・5日一日いっぱいの通所に落ち着いたのは1年以上通所してからでしょうか。もういつでも就職の準備万端と感じたのが今年の2月。そこから就職活動を始めました。

 

通所日数が思っていた以上にかかり、焦ったり落ち込んだりもしましたが、利用期限内で無事就職できたこと、本当にスタッフさんに感謝です。当初に予定していた半年で就職とはなりませんでしたが、じっくり利用したことにより、体力作りと生活リズムの見直しができ、服薬以外の自己コントロールの仕方を学べたことは、いま現在とても役立っています。

 


精神障害で就職を希望する方、就労移行支援事業所を選択肢に入れてみるのも良いかもしれませんよ。もちろん、合う合わないもありますが、行き詰まっていてどうしようかと延々と考えるよりは、人の手を借りてみたら考えの幅や行動が広がる気がします。


以上、利用開始までの流れの体験談でした。